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n - caramelizing

日記です。 読み捨てて頂ければ幸い。

ウルフ

2015.07.24 (Fri) 12:44 Category : 未選択

ああ、どうか罪深い私めをお許し下さい。
短いです。小話です。牧師xトンガリです。キスするだけです。
本当に反省しています。でも出します。(笑)



 ニコラスは口を離すと、手に持っていた煙草を再び口に銜えた。ヴァッシュは顔を手で覆って表情を隠していたが、グスグス泣いているのは確かだった。ニコラスは煙草を吸いながら冷ややかにそれを眺めた。
「何泣いとんねん」
「・・・だって!」
「なんやねん、キスの一つや二つ。なっさけないやっちゃな。何歳やねん、おんどれは。おぼこか」
 ニコラスは泣いている男をボロクソに言った。ヴァッシュは特に言い返さなかったが、顔を隠したままぼそりと言った。
「だって、ウルフウッド、煙草臭い・・・」
「はあああ!?んな事で泣いとったんか!アホか!」
「喫煙者には分かんないよ!うええ、気持ち悪い!」
 ヴァッシュは吐きそうな顔をして横を向き、ぺっぺっと唾を吐いていた。
「うーわ。傷つくわあ・・・」
 ニコラスは煙草を銜えたままドン引きした。むかついたので煙草の火は意地でも消さなかった。
「禁煙したら?」
「なんでワイがせなあかんねん」
「チューできないじゃん?」
「したるわ、いくらでも」
 ニコラスは煙草を銜えたまま吸った息を口内に溜めると、目の前の情けない顔にたっぷりと紫煙を吹きかけた。煙の向こうでヴァッシュが情けない顔を顰めた。
「・・・女の子に嫌われるよ?」
「ほっとけ。余計なお世話や」
 ニコラスはフンと顔を背けた。相手が何か言いたそうにしているのを無視して完全に背を向ける。
「けっ、なんやねん」
 腹が立つあまり煙草をスパスパ吸っていると、後ろから肩を叩かれた。反射的に肩越しに振り向くと、ヴァッシュの顔が迫っていた。それは、煙草を銜えているニコラスの唇の端に、触れるだけのキスをしてすぐに離れた。
「・・・・・・」
 ニコラスがビックリして口を開けると、既に短くなっていた煙草が地面に落ちた。
「機嫌悪くするなよ」
 ヴァッシュが気遣わしげな上目遣いでそう言った。まるで子供みたいだった。大人に気を遣う子供だ。
(幾つのガキやねん)
 ニコラスは落ちた煙草を踏みつけて始末した。
「悪うなんかしとらんわ」
「してたじゃんかー」
「しとらんわ」
 ニコラスはしらばっくれていたが、今にも笑い出しそうになっていた。
「ちょい、トンガリ」
 ニコラスは指を動かしてヴァッシュを側に呼んだ。
「なに」
「ええから。顔貸し」
 ヴァッシュは不満げにニコラスに近づく。ニコラスは赤いコートの襟を掴むと力任せに引き寄せて、相手の口を塞ぐようにキスをした。
「・・・!・・・・・・!!」
 ニコラスが満足して口を離すと、ヴァッシュは物凄く嫌そうな顔をしていた。


ヴァッシュさん百何歳です。牧師は幾つなんだろ。相当若いはずだけど。
牧師の口悪い(?)エセ関西弁が好きです。
スペイン親分ももう少し口悪ければなあと、思わんでもない。(笑)キレたら口悪くなんのかな。でも、ほわほわしとる親分も好きやでえ。

牧師とトンガリの小話はもう書かないよ。
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