忍者ブログ

n - caramelizing

日記です。 読み捨てて頂ければ幸い。

バレンタインデー その二

2017.02.08 (Wed) 23:55 Category : 小話

サイトに置いてある『この本をわが最愛の人へ捧ぐ』の2ページ目を少し書き直しました。
最近こんなんばかりですね。

中途半端な小話です。
部分的には書けても、なかなか一つの話として纏まらない。どうしたものやら。


*
 二月になって憂鬱な日を過ごしていると、バレンタインデーの何日か前にナルトがわざわざ会いに来た。久しぶりに会ったので一楽に誘い、二人で馴染みのラーメン屋へ向かった。
 それぞれ好きなラーメンを注文し、待ってる間に近況報告となった。
 ナルトは自分の事や、同期の子らの話をしてくれた。みんな頑張っているようだ。話の折にちらりとカカシの名前が出て、イルカは少しどきっとした。
 ラーメンが出来上がると切りのいい所で話をやめて、早速食べ始める。半分ほど食べた所でナルトが箸を止めて、隣に座るイルカの方を向いた。
「ねぇねぇ、イルカ先生!」
「なんだ?」
「もーすぐバレンタインデーじゃん!オレ、イルカ先生にチョコあげるからさ、ホワイトデーにお返しちょうだいよ!」
 ナルトはいつもの調子で明るく言った。
 イルカは、バレンタインデーと聞いた途端に気が重くなった。月が変わる前からその事で憂鬱だったのだ。ナルトと会って少しは気が晴れたのに、また思い出してしまった。
 でもナルトに悪気は無いし、関わりも無い。
 イルカは憂鬱な気分を押し殺し、素直にイベントを楽しもうとしている教え子を見て微笑んだ。
「いいぞ」
「ほんと!?そしたら三倍返しで!」
 どうやらナルトの狙いはそこだったらしい。豪華なお返しをもらう事。よくもまあ思いつくものだ。
「あほか。三倍返しが許されるのは女の子だけだ」
 イルカは呆れながら言った。ナルトはショックを受けていたが、切り返しが早かった。
「じゃあ女の子になって渡すからさぁ!先生も久しぶりに見たいでしょ?お、い、ろ、け、の、術!」
「見たくないわ!」
 肩に擦り寄って来るナルトを押し返してから、イルカは笑った。ナルトは悔しそうにしている。
「えー!カカシ先生にも断られちゃったしさー!けち!」
 ナルトはそう言って、ぶーぶー言いながら食べ途中のラーメンに戻った。
 カカシは甘い物が嫌いと言っていたから、断るのも当然だろう。それより面倒くさいと思ったのかも知れないが。
 イルカは機嫌を悪くしているナルトを見て苦笑しながら言った。
「三倍とは言わないが、倍にして返してやるよ」
「えっ、ほんと!?やったー!」
 ナルトが一転、大喜びしてイルカに抱きつく。イルカは笑いながらナルトの頭を撫でた。下忍になってもまだまだ子供で可愛い教え子だ。
 イルカは、そんなナルトが少し羨ましかった。自分もカカシにチョコレートを渡せたら良かったのに、と思った。
PR
n-caramelizing

日記です。
節操なく色々好きです。で、飽きっぽい。
二次小説で腐った妄想たれ流してます。なんていうか、ごめんなさい。
Website nauwe
どうでもいいツイ垢 @sawaragomu
らくがきポイポイ用 ポイピク
委託通販 フロマージュ様
既刊情報
くるっぷ

グーグルフォーム作りました。
ご意見ご感想/連絡用フォーム

Wavebox
最新記事
(05/06)
(05/05)
(04/28)
(04/24)
(04/16)
ブログ内検索

Powered by [PR]

忍者ブログ