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日記です。 読み捨てて頂ければ幸い。

六代目火影とイルカ先生の夜

2017.03.20 (Mon) 17:35 Category : 小話

イルカ先生が夜這いに来ました。(?)
六代目の小話はどれも繋がっていません。

続きは考えてない。

*

 執務室の真上は、火影の寝室になっていた。寝室以外にもその階全てが火影の部屋で、住めるようになっている。
 カカシの家は別にあったが、忙しい日は火影用の寝室に寝泊まりしていた。今は家に帰るより、この寝室で寝る日の方が多い。
 カカシはこの日も家に帰らずに、執務室の上の寝室に居た。書類仕事が終わらないのと、気になる事があっていつになるか分からない報告を待っていた。
 仮眠をしようと寝室へ来てベッドに横になったは良いが、疲れと心配事で全く眠れなかった。
 本当はここで寝るより、イルカの家へ行きたかった。イルカの横でなら、イルカの腕の中でなら、ぐっすり眠れるに違いない。
 でももう時間が遅かったのもあり、カカシは仕方なく一人寝をしていた。
 少しでも頭と体を休めようと、ベッドの上で目を閉じる。
 ところが大して経たない内に部屋の外に気配を感じて、カカシは目を開けた。
 控えめにドアが叩かれる。
 報告か、緊急事態か。ドアの叩かれ方からして、緊迫した様子はない。
 カカシは仕方なく体を起こすとベッドを離れ、部屋のドアを開けた。
 そこにはイルカが申し訳なさそうに立っていた。
「遅くにすみません」
「イルカ先生。どうしたの?何かあった?」
「いえ・・・何も。カカシさん、暫く帰れてないし、一人じゃ寂しいんじゃないかと思って」
 イルカが言った。カカシが驚き交じりに見つめていると、イルカは照れくさそうに笑った。
「・・・嘘です。本当は俺が会いたくて来ました」
 イルカは一歩前に出ると、カカシの胸に寄りかかって、体に腕を回した。
 イルカの体温をすぐ側で感じただけで、カカシの胸は高鳴った。
 カカシは自分の家に帰れていないのと同時に、イルカの家にも殆ど行けていなかった。こうしてイルカと触れ合うのも久しぶりだった。
 カカシは嬉しく思いながら、イルカの体に腕を回し、やさしく抱き寄せた。
「イルカ先生・・・」
「カカシさん。ごめんなさい、迷惑かと思ったんですが、毎日一人じゃ寂しくて・・・」
 イルカにそう言われ、カカシはイルカの顔を覗き込むと唇を合わせた。少しだけ強く抱きしめる。
「イルカ先生、ごめん。寂しい思いをさせて」
 カカシは、火影の仕事に精一杯で、自分の事は後回しにしていた。イルカの事も、理解してくれていると思って放ったらかしてしまっていた。
「いいんです。忙しいの知ってますから・・・。カカシさんが頑張ってるんだから、俺も我慢しようって思ってはいるんですけど・・・でも、我慢できなくて来ちゃいました」
 イルカが恥ずかしそうに言った。誘うような目で、カカシを見つめる。
「カカシさん。少し一緒に居てもいいですか?」
「イルカ先生・・・」
 カカシはイルカを抱きしめ、体を寄せ合った。
 カカシに断る理由は無かった。
 唇を重ね、舌を絡め合う。
 久しぶりのお互いの唇に、二人とも夢中になった。
 離れられず、放せずに、唇に吸いつく。
 ドアを開けたまま部屋の入口で貪り合っていると、何処かから物音がした。
 カカシは唇を離した。急にやめてしまったので、イルカが不思議そうに見つめる。
「どうかしましたか?」
「・・・ううん」
 カカシは何でもないと笑ってみせると、もう一度だけイルカの唇に軽く口づけた。
「ごめん、イルカ先生。やっぱり今日は帰って」
「えっ」
 イルカが戸惑いの目をカカシに向けた。こんな体が熱くなるまでキスをしておいて帰れというのも酷いと、カカシも思う。
「ごめん、ほんとに・・・。今、報告待ってて。今度・・・明日、イルカ先生の家に行くから」
 カカシはイルカの手を握った。本当は帰したくない。今すぐにでもイルカを裸にして、裸になって、求め合いたかった。
 それだけは分かって欲しくて、カカシがじりじりと見つめていると、イルカは小さな溜息まじりに微笑んだ。
「分かりました。俺の方こそ、すみません。急に来てしまって」
 イルカがカカシの手をそっと握り返す。今度はイルカからキスをした。
「キスだけでもできたから良かった」
 カカシはイルカを引き寄せて、再度唇を合わせた。イルカの腰に腕を回し、抱き寄せながら深く口づける。腰が擦れ合い、カカシの腕の中でイルカが身悶えた。
「ん・・・カカシさん。帰って欲しいんですよね?」
「帰って欲しくないよ」
 カカシはイルカを抱きしめて、首筋に唇を押しつける。
「カカシさん・・・あんまりいじわるしないでください。こんな風にされたら、余計に一人じゃ眠れません」
「わかった」
 カカシは仕方なくイルカを放した。イルカが名残惜しそうにカカシを見つめながら、カカシから一歩離れる。
 カカシは両手を合わせて十字の印を結んだ。
 イルカの背後にカカシがもう一人現れた。それがイルカに抱きつく。影分身だ。
「それを連れて行って。添い寝くらいはできるから」
「影分身・・・」
 イルカは背中に抱きつく影分身のカカシに目を遣った。それから目の前のカカシに目を向ける。
「カカシさんは?」
「俺は、一人で大丈夫」
 カカシは笑ってみせた。
「俺の影分身に変なことしないでね。していいのは、オリジナルの俺にだけですよ」
「しませんよ」
 イルカは可笑しそうに笑いながら答えると、背中に影分身をくっつけたまま、カカシにキスをした。
「じゃあ、帰りますね。あんまり無理しちゃ駄目ですよ」
「うん。ふふ、ありがとう」
 カカシはくすぐったくなって笑った。顔を寄せたイルカと鼻を擦り合わせてキスをする。
 それからイルカの背中にしがみ付いている自分の影分身に目を向けた。影分身が黙って頷く。
 影分身はイルカをカカシから引き離し、イルカの体を肩に担ぎ上げた。
「わっ」
「おやすみ、イルカ先生」
「カカシさん・・・」
 カカシは片手を持ち上げて軽く振った。すぐにカカシの影分身がイルカを連れ去って行った。

*
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