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日記です。 読み捨てて頂ければ幸い。

六代目火影とイルカ先生の夜(2)

2017.05.18 (Thu) 23:38 Category : 小話

カカイル続き。タイトルは変えたい。



*
 カカシの影分身はイルカを担いで家まで送ってくれた。玄関で漸く下ろされる。
 イルカは玄関の鍵を開けると、カカシの影分身を家の中へ連れ込んだ。
「送ってくれてありがとう」
「・・・・・・」
 イルカが話し掛けても、影分身は黙ってイルカを見つめるだけだった。一言も喋らない。
 きっとカカシは影分身を喋らないように作ったのだろう。なんだ話は出来ないのかと、イルカは少しがっかりした。
 話は出来ないようだが、添い寝くらいはできるとカカシは言っていた。イルカは、影分身の手をそっと握った。
「一緒に寝てくれる?」
 影分身は頷くと、イルカをそっと抱きしめた。体が密着する。
 影分身だけれど、カカシには違いなかった。体温と息遣いがイルカを安心させてくれる。
 イルカは影分身をベッドに連れて行くと、並んで横になり、体を寄せ合った。
「おやすみなさい」
 イルカが言うと、影分身は言葉を返す代わりにイルカを抱きしめて鼻を擦りつけた。
 イルカは影分身の温もりの中で目を閉じた。今頃カカシはどうしているのだろうと、少し心配になった。

 朝になって眼が覚めると、隣で寝ていたはずのカカシの影分身は居なかった。
 イルカが夢だったのかと思っていると、居間から味噌汁のいい匂いが漂ってくる。
 イルカが起きて行くと、居間には朝食が用意されていた。カカシが台所から出て来て、イルカを見て微笑んだ。
 夢ではない、カカシの影分身だ。
 影分身はイルカをテーブルに着かせた。朝食は一人分しかない。影分身は食べないようだ。
 美味しい朝食を終えると、イルカは影分身に礼を言った。
「ありがとう。美味しかったよ」
 影分身は黙っていたが照れていた。仕草も何もかもカカシそっくりで、イルカは可愛く思った。
 イルカはアカデミーへ行く支度を済ませると、玄関を出る前に影分身を抱きしめた。
「ありがとう・・・カカシさん」
 イルカは照れくさそうな影分身の顔を覗き込むと、唇にキスをした。
 ちゅっと音を立てて唇を吸う。
 イルカが舌で舐めようとした途端、目の前で煙が弾けてカカシの姿が消えてしまった。
 イルカは驚いたが、影分身に変なことをするなと言っていたカカシの言葉の意味が分かった。術が解けてしまうから無闇に手を出すなという意味だったのだ。
 イルカはカカシの影分身の照れくさそうな顔を思い出して、くすりと笑った。
 カカシは今日はイルカの家に来てくれると、昨夜言っていた。その時に改めてカカシ本人にキスをしてあげようとイルカは思った。
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