n - caramelizing
日記です。
読み捨てて頂ければ幸い。
火影室へようこそ(仮)2
2017.08.06 (Sun) 00:45 | Category : 小話
捻り出した続き。
*
火影の執務補佐の話が決まった翌日から、イルカは早速忙しくなった。火影室の隣にある事務室の一角を借りて『六代目火影準備室』が立ち上げられた。けったいな名前が付けられてはいるが、カカシとイルカしか居ないし、実際の業務はイルカしかしない。
まだ就任式前で、通常業務は五代目火影が執り行っている。常駐している事務員はそちらの仕事で手一杯で、六代目火影就任の準備は必要最低限の事しか出来ていなかった。
就任式の手配は殆ど終わってはいたが、他にもやるべき仕事は多く残っている。殆ど書類の作成と諸々の手配だったが、イルカはアカデミーの仕事の傍ら一人で六代目火影就任に向けて準備を進めた。
カカシはカカシで、自由に動けるうちに方々へ挨拶に行っているようだった。執務補佐を任命されて以降、イルカはカカシと殆ど顔を合わせなかった。
就任式を数日後に控えたある日、イルカはアカデミーの仕事を終えた後、火影室横の事務室に一人で残って仕事をしていた。
すると、そこへカカシが顔を見せた。五代目火影と話していたようで、そこでイルカがまだ残っている事を聞いて来たらしい。
カカシはイルカを労い、すまなそうに謝った。
「ごめんね、イルカ先生一人に全部任せちゃって」
「大丈夫です。その為に俺にこの仕事を頼んだのでしょう?」
イルカは笑って見せた。執務の大体の事を把握しているイルカならカカシが一々指示しなくてもやるべき事を分かっているから、カカシはイルカを選んだのだのだろう。
この仕事を頼まれた時、イルカは嬉しかった。カカシと一緒に働けると思ったのと、カカシに頼りにして貰えたと感じたからだ。
「もう一人くらいイルカ先生の手伝いに人を増やしたかったんですが、どこも人手不足で・・・それにイルカがやるなら一人でも大丈夫だろって、五代目が」
イルカなら一人でこなせると判断されて、人員を増やして貰えなかったらしい。
人手を増やせない理由にうまく言われただけかも知れないが、五代目火影にそこまで評価されているとは、イルカは嬉しく思った。
だから人員を増やせないと聞いても不満は無かった。期待されているならそれに応えたいし、どこも人手不足なのはイルカも分かっている。
それに、就任式前の今、六代目火影の指図で動いているのはイルカだけだった。今はまだ五代目火影が里を取り仕切っている中、イルカ一人だけが、誰よりも先に六代目火影のカカシの為に働いていた。それにはイルカの中で少しだけ優越感のようなものがあった。
「俺なら平気です。就任式が終われば、いま五代目に付いてる事務員はそのまま六代目火影に引き継がれますし。それまでなら俺一人でも・・・」
「ありがとう、イルカ先生。じゃあ、頼りにしちゃいますね。今の俺にはイルカ先生しか居ないし」
それはカカシの使える手駒がイルカだけという意味なのだろうが、イルカは思わず顔を赤くした。
「イルカ先生に頼んでよかった〜」
カカシが笑顔で口にする。イルカは何だか恥ずかしくなって、カカシの顔が見れなくなった。
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