n - caramelizing
日記です。
読み捨てて頂ければ幸い。
火影室へようこそ(仮)5
2017.08.15 (Tue) 20:47 | Category : 小話
書き直すかもしれない。
当初の予定とどんどん離れてゆく。何故だろう。
当初の予定とどんどん離れてゆく。何故だろう。
*
イルカはカカシの部屋に鍵を掛けてから自宅に帰り、翌朝カカシに鍵を返しに行った。
イルカが早朝の火影室に行くと、カカシは椅子に座ってぼんやりとコーヒーを飲んでいた。
「おはようございます、カカシさん」
「イルカ先生。おはよう。早いね」
「これを返そうと思って」
イルカは書斎机の前まで進むと、ポケットから鍵を一つ取り出した。可愛らしい犬のキーホルダーが付いた鍵を、そっと机の上に置く。
カカシはそれを見て驚いていた。
「なんでイルカ先生がその鍵持ってるの?それ上の部屋のだよね?」
これにはイルカの方が驚いた。鍵を持って行くよう言ったのはカカシなのに、どうやらイルカが部屋まで送ったことも何も覚えていないらしい。
「何も覚えてないんですね」
「えっ・・・」
イルカの台詞に、カカシの顔が心なしか青くなった。
イルカが簡単に昨夜のことを話すと、それがほとんど記憶に無かったのか、カカシは更に青くなったように見えた。
「すみません、イルカ先生・・・えらい迷惑を掛けてしまったみたいで」
カカシが昨夜同様頭を下げた。イルカは慌ててカカシの頭を上げさせた。
「カカシさんをここまで送るくらい全然大したことじゃないですし、迷惑だなんて思ってません。それより、今日は大丈夫ですか?昨夜は随分酔っていたみたいですが」
イルカが心配になって尋ねると、カカシは恥ずかしそうに笑った。
「心配かけてすみません。全然大丈夫です。昨日は疲れていたみたいですね」
むしろ今日は調子が良いくらいだと、カカシが言った。
「それは良かったです。カカシさんが酔ったとこ初めて見たから吃驚しました」
イルカはカカシと何度か一緒に飲んだことがあるが、カカシがあんなに酔っている所を見たのは初めてだった。いつもはいくら飲んでも顔色も変わらないくらい、カカシは酒に強かった。
「ははは・・・すみません。・・・俺、変なこと言ってませんでした?」
カカシが申し訳なさそうに言った。何も言ってなかったと、イルカは笑いながら答えた。
カカシは信用していないのか、疑うように再度イルカに尋ねた。
「本当ですか?何かしたりとか・・・俺、イルカ先生に変なことしてませんか?」
カカシがじっと見つめる。イルカは昨夜カカシに引き止められたことを急に思い出して、一瞬口ごもった。
「あ・・・。いえ、なにも・・・」
イルカが目を逸らした隙に、カカシは立ち上がって机越しに身を乗り出し、イルカの顔を覗き込んだ。
「本当ですか?なにも?」
イルカが驚いて下がろうとすると、カカシがイルカの手を掴んで引き止める。強引に引っ張られて、イルカは書斎机の上に倒れそうになり手を突いた。
机を挟んで、カカシがイルカに顔を突きつける。
「あの、カカシさん・・・」
「俺、なにもしてないですか?」
カカシは問い詰めるように顔を近づけた。息遣いが分かるほど、カカシの顔が間近にある。イルカは思わず目を瞑った。
「な、なにも・・・。なんでそんなこと訊くんですか?」
「・・・・・・」
イルカが恐る恐る目を開けると、目の前でカカシの目が睨んでいた。思わず竦んでしまう黒い目の奥に、昨夜の酔ったカカシの熱っぽい眼差しを感じた。
「うわ、あの・・・カカシさん・・・」
「・・・すみません。全然記憶ないから、もしイルカ先生に嫌われる事してたらやだなと思って」
カカシはパッとイルカの手を放した。カカシの顔がイルカから離れる。
「幻滅されたり嫌われたりしたら仕事やりにくいでしょ?」
カカシが眉を顰めて笑いながら言った。
イルカはカカシの笑みを見て少しほっとした。さっきのカカシは、きっと心配し過ぎて必死だったのだろう。
「そんな心配、する必要ありません。余程のことじゃないと嫌ったりなんてしませんから」
イルカはカカシを安心させるように笑ってみせた。
気付くとカカシの顔が間近に迫っていた。咄嗟に退こうとしたイルカの襟を、カカシが掴んだ。
「ほんと?・・・こんなことしても?」
カカシがそう囁き、イルカの唇にカカシの吐息が掛かった。次の瞬間にはカカシの唇が押し付けられていた。
「・・・!!」
イルカが体を退こうとしても、カカシに襟を掴まれていて動けない。その間にカカシの舌がイルカの唇を割って這入った。
「あ・・・」
カカシはイルカの襟から手を放したが、イルカは強張って動けず、ただカカシの唇と舌を受け入れた。カカシの舌が艶めかしく誘う。
イルカは興奮で頭が熱くなった。耳元で血管が脈打つ音が聞こえる。
「は・・・カカシさん・・・」
「・・・・・・」
カカシはふとイルカから口を離した。イルカがぼーっとしてカカシの顔を目で追っていると、突然火影室の扉が開いた。イルカは飛び上がるほど吃驚して、手で口を押さえ、慌てて姿勢を正した。キスに夢中になっていたのか、扉を叩く音も声も聞こえていなかったらしい。
火影室の扉を開けて入って来たのは若い中忍だった。手に新聞を持っている。
「おはようございます!今日の新聞を持って来ましたー!」
「おはよう。毎朝悪いね」
カカシは若者に向けて微笑み、新聞を受け取った。カカシの口元はいつの間にかマスクで隠されていた。さっきまでイルカとキスをしていた面影もない。
一方イルカは、顔を真っ赤にして口元を手で隠していた。動揺を必死に抑えて立っているのが精一杯だった。
若い中忍はそんなイルカにも元気に挨拶して火影室を出て行った。
急にしんとした火影室に、まだカカシとイルカの二人だけになる。
イルカは書斎机の前から一歩下がった。
「イルカせん・・・」
「あの、カカシさん。・・・失礼します」
イルカは何とかそれだけ言って、逃げるように火影室を後にした。
*
若い中忍はリーくんでも良かったんだけど…ていうかリー君が修行ついでに火影室とガイ先生の下へ新聞配ってるイメージ。もしくはリー君の弟弟子的な子。
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