n - caramelizing
日記です。
読み捨てて頂ければ幸い。
バレンタインデー その三
2018.02.14 (Wed) 14:12 | Category : 小話
バレンタイン小話です。カカイル。
その一とその二は?とお思いでしょうが、一年前に出しています…w
書き直して今年こそ出そう!と思ってましたが手付かずです。はぁ…。
一と二は読まなくても問題ありません。イルカ先生が「カカシ先生にチョコ渡したいなぁ…でもやっぱ無理」って思ってるだけなので。
その一とその二は?とお思いでしょうが、一年前に出しています…w
書き直して今年こそ出そう!と思ってましたが手付かずです。はぁ…。
一と二は読まなくても問題ありません。イルカ先生が「カカシ先生にチョコ渡したいなぁ…でもやっぱ無理」って思ってるだけなので。
*
バレンタインデー当日、ナルトが約束通りチョコレートを渡しに来た。アカデミーの屋上で、可愛らしい包みをイルカの目の前に差し出す。
「ありがとう。本当に持って来るとは・・・」
イルカが苦笑いしながら手を出すと、不意に目の前で白煙が弾けた。
ナルトが立っていたはずの場所に、年頃の女の子が立っていた。ナルトの変化の術だ。
「どーせ貰うならこっちの方がいいでしょ?もしかしたら女の子から貰えないかも知れないし!」
ナルトは可愛い顔で失礼なことを言うと、わざとらしくもじもじしながら改めてプレゼントを差し出した。
ナルトの暴言については怒る気も失せて、イルカは静かにプレゼントを受け取る。
「ありがとう。余計なお世話だ」
「じゃあ女の子から貰ったの?」
「貰ってねーよ」
イルカは、ついヤケになって大声で言い返しそうになった。ナルトはいたずらっ子の顔でニシシと笑った。そして突然、イルカに抱きついた。
「わっ。なんだよ、いきなり」
「えっへっへ。サービスだってばよ!ホワイトデー、待ってるから!」
ナルトはイルカの顔を覗き込んでニッコリ笑うと、ポンッと弾けた煙と一緒に姿を消した。
「ったく」
イルカは貰ったプレゼントを手にしたまま呆れた。きっとナルトは他にもお返しをくれそうな人の所へチョコレートを配りに行くのだろう。
「まあ、三倍返しでもいいかな」
イルカが一人で笑いながら、貰ったばかりのプレゼントの包みを開ける。小さな箱に丸いチョコレートの粒が並んでいた。一つ摘んで口に入れた。
その時、誰かに名前を呼ばれた。
チョコレートを口に入れたまま振り向くと、カカシが立っていた。いつの間に来たのだろう。
カカシはイルカが手にしているチョコレートの箱を見て眉を顰めているようだった。
イルカは慌てて口の中のチョコレートを噛んで飲み込んだ。味わっている余裕もない。
「カカシ先生・・・。すみません、何か用でしたか?」
「いえ・・・。今の、イルカ先生の彼女ですか?」
「えっ!?」
カカシが変な事を言うので、イルカは驚いてしまった。彼女というのは、今しがた去って行ったナルトの事だろう。女の子の姿をしていた。
「ナルトですよ、今の!あいつ、よくあの姿で俺の事からかうんです。今日だって、俺が女の子からチョコレート貰えないだろうからって、あんな姿で・・・」
イルカは自分がムキになって話している事に気付いて、慌てて声を抑えた。
「カカシ先生も言われませんでした?チョコレートあげるからホワイトデーに三倍にして返してって」
カカシは顎に手を当てて何やら考えている。
「ああ・・・言われました。なるほど、あれですか。なんだ、よかった」
カカシがほっとしたように言った。
イルカは首を傾げた。よかった、とは何がよかったのだろう。
「それで、何のご用ですか?」
「あ、ええ。その前に、イルカ先生、ナルトには三倍にして返すんですか?」
カカシが訊ねた。チョコレートの話だろう。
「・・・まあ、そうですね。貰っちゃいましたし」
イルカは笑いながら答えた。
「じゃあ、俺も三倍がいいなぁ」
カカシがそう言った。
「えっ?」
「これ、どうぞ」
カカシは後ろに隠していた手をイルカの前へ出した。
カカシの手の中の包みに目が行く。有名菓子店の小さくて上品な包みだ。イルカに・・・くれるらしい。
押しつけられるようにして、イルカはそれを受け取った。
「あ、あの」
「お返しは三倍にしてくれます?」
カカシがじっと見つめる。イルカの顔が熱くなった。
「は、はい」
イルカはそう答えていた。カカシが嬉しそうな顔をした。
「ほんと?」
「はい」
「約束ですよ」
カカシは口元に手を遣って、顔の半分を隠していたマスクを顎まで引き下ろした。鼻と口が露わになる。
イルカはカカシの素顔を見て一瞬ぎょっとしたが、初めて見たカカシの素顔に見惚れてしまった。
ぼんやりと見惚れているうちに、カカシの顔が間近に迫る。
唇が触れ合って、イルカは我に返った。
唇が押しつけられる。
カカシの腕にがっちり腰を抱えられて逃げられない。
カカシはイルカの唇をなかなか放さなかった。
「ん・・・うっ・・・」
イルカは、強引で優しいカカシの唇を拒めずに、ただ目を閉じて堪えた。
いつのまにか、抱き合うようにカカシの背中に腕を回していた。
カカシは満足したのかイルカの唇を放した。イルカにとっては息が苦しくなるほど長い時間に思えた。
「は・・・カカシ先生・・・」
イルカは息が乱れていた。体が熱い。濡れた唇から出た声は、恥ずかしくなるほど甘ったるかった。
カカシはイルカの腰を抱き寄せて、もう一度唇を合わせた。
「イルカ先生。約束ですからね、三倍返し」
「・・・・・・!」
カカシはイルカの顔を覗き込んで微笑むと、イルカの腰から腕を放して離れた。
イルカが何も言葉を発せないでいるうちに、カカシは「じゃあ」とだけ言って去ってしまった。
一人にされたイルカは、へたり込むようにその場に尻もちを突いた。ナルトから貰ったチョコレートの箱を、いつの間にか取り落としていた。
イルカの手にはカカシから貰った包みが握られていた。
*
続きはホワイトデーに…出せたらいいなあ!
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