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n - caramelizing

日記です。 読み捨てて頂ければ幸い。

夜半

2018.05.22 (Tue) 08:43 Category : 小話

カカイルです。イルカ先生が夜這いに来ました。

*

 カカシが夜遅くに火影室を出て上の階へ向かうと、暗い廊下に暗部が一人立っていた。ちょうど寝室の前だーーこの階はまるごと火影のプライベートルームになっていたが、カカシはその中の一部屋しか使っていなかった。
 先代の頃にちょっとした問題があって、夜半の寝室には護衛の暗部が付くようになってしまった。部屋の中に火影が居なくても門番をしているので、護衛というより衛兵だ。
「ご苦労さま」
 カカシはいつもは掛けない声を掛けた。暗部は特に反応しない。
 カカシは寝室のドアを開けようともせずに、その暗部に言った。
「何者だ」
 暗部が咄嗟に身を退く。カカシは素早く動いて相手を廊下の壁に押さえつけた。
 ・・・が、すぐに手を放した。一瞬だけ張り詰めた空気がすぐに解けてゆく。
 カカシは相手から離した手で頭を掻いた。
「何してるんです、イルカ先生?」
 カカシが呼び掛けると煙幕が弾けてイルカが現れた。暗部に化けていたのはイルカだった。
「すみません。吃驚させようと思って」
「危ないでしょ?俺が気付かなかったら本気でやってましたよ」
「カカシさんなら気付くと思ってました」
 イルカがカカシの顔色を窺いながら言った。
 カカシは静かに溜息を吐くと、怒る代わりにイルカを抱き寄せた。マスクを外してイルカの頬に口づける。
「あんまり買い被らないでください。俺にはもう写輪眼は無いんですから」
 イルカはカカシを見つめると、右手でカカシの前髪を掻き上げた。
 イルカが唇を近づけたのでカカシは目を閉じた。イルカの唇がカカシの左の目蓋に触れ、傷痕の上をそっと撫でた。
「写輪眼が無きゃ俺の事も分からないなんて言わせないですよ?」
 イルカは唇をカカシの目蓋に触れさせたまま囁いた。そう言われてはカカシも敵わない。
「分かってるつもりでしたけど、こんなイタズラするとは思ってなかったです」
 子供の頃はよくイタズラをしていたと聞いたことがあるが、その頃のイタズラ心が今もあるとはカカシは知らなかった。
 イルカの事はもうなんでも知っていると思っていたのに。
「もっと貴方のこと教えて欲しいんですが・・・できればベッドの上で」
「・・・ふふ。喜んで」
 イルカはカカシの首に抱きつくと顔を伏せてくすくす笑った。笑っている所為でイルカの肩が揺れる。それは暫く止まらなかった。
「・・・イルカ先生、笑いすぎ」
「・・・すみません。気障な台詞を言わせるとカカシさんには敵わないですね」
 イルカは顔を上げて言った。完全に笑いを堪えている顔だ。
「なんですか、それ?馬鹿にしてるでしょ?」
「してないですって。格好いいって言ったんですよ、火影さま」
 どう聞いてもイルカはからかっている。でもカカシは悪い気がしなくて、むしろイルカに格好いいと言われて単純に嬉しくなり口元を緩めた。
「俺も火影さまの事もっと知りたいです」
 イルカは茶化したが、カカシを見詰める目は熱っぽかった。
「イルカ先生は俺の事なら何でも知ってるでしょ?」
「そんないじわる言わないでくださいよ」
「どっちがいじわるなんですか」
 カカシは少し拗ねてみせるとイルカが優しくキスをした。
「ごめんなさい。カカシさん、最近忙しくて相手してくれないから、つい」
 イルカが寂しそうに言った。
 カカシは、言い返せずに黙った。確かにここの所、忙しさを理由に全くイルカと過ごしていなかった。
「俺の方こそ、ごめんなさい・・・イルカ先生」
 カカシは反省して謝った。忙しすぎてイルカの事まで考えていなかった。
 イルカは優しく笑ってカカシの頭を撫でると、カカシに体を寄せて訊ねた。
「今夜は、一緒に居れます?」
「うん」
「疲れてないですか?」
「うん。大丈夫」
 カカシはそれを証明するようにイルカの腰を抱き寄せ、自分の股間を押しつけた。カカシの腕の中でイルカが一瞬息を飲んだ。
「だからイルカ先生の事教えて?」
 カカシはイルカの額にキスをして囁いた。イルカはカカシの体に腕を回し、熱の篭った眼差しを向けた。
「・・・はい。喜んで」
 見つめ合うとお互い我慢できずに、強く抱き合って唇を合わせた。舌を絡めて甘く口づける。
「んっ、ふ・・・カカシさん」
 カカシが一旦唇を離すと、イルカは寂しそうにカカシを見つめた。
 カカシは物足りなそうなイルカを宥めて、一先ず寝室のドアを開けた。中に入るようイルカを促す。
「入って。続き・・・早くしましょ?」
 カカシがイルカの手を引く。
 部屋に入るとベッドまで待ち切れずに、また二人で抱き合って甘ったるいキスをした。
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