n - caramelizing
日記です。
読み捨てて頂ければ幸い。
大団円の後で
2018.06.26 (Tue) 21:04 | Category : 小話
利吉くんが足を撃たれて怪我をする映画のやつ。(大分昔)
利土井っぽい。
利土井っぽい。
*
「ダーメーだ!」
「しかし」
「傷を治してからだ!」
「ですが」
大団円を迎えた後で、利吉と半助は言い合っていた。利吉は足を怪我して、荷車に寄り掛かって立っている。
「山田先生!何とか言ってください!利吉くん、このまま行くって言ってますよ!?」
「誰に似たのか強情だからなあ・・・放っておけ」
「ええー!?ダメです!傷が膿んだらどうするんですか!」
「では、父上。私はこれで・・・」
父の許しが出た所で、利吉はすぐさま行こうとした。
半助が咄嗟に利吉の襟を掴んだ。利吉を睨みつける。
「ダメ!せめて忍術学園に寄って、ちゃんと手当てしてからにしなさい!」
「・・・・・・」
足元に乱、きり、しんが来て、「利吉さぁん」と心配そうな声を上げた。
学園長に目を向けると、御老体は利吉を見て笑いながら頷いた。
「わかりました。土井先生」
利吉は意地を張るのを諦めて笑った。なんだか半助の生徒にでもなったようだ。
「分かればよろしい」
半助が満足げに微笑んで、掴んでいた利吉の襟を放した。
それを見計らって、利吉は右足を庇いながら半助の方へと体を倒した。半助が咄嗟に抱き留めてくれる。
「利吉くん!?」
「利吉さん!」
半助と子供たちの声が重なる。
「すいません。結構我慢してたので、意地張るのやめた途端気が抜けちゃいました」
利吉は半助の肩に寄りかかって言った。
「ご苦労さま。ありがとうな、は組の皆を助けてくれて」
半助が優しく言う。利吉は胸の内がくすぐったくなった。
「こちらこそ、礼を言わなければ・・・」
「お礼はあの子らに言ってくれ」
「そうですね」
半助は笑いながら子供達の方に目を向けた。
「そうですね」
でも、と利吉は続けた。
「ありがとうございました。土井先生」
利吉が言葉にはし切れない思いを込めて見つめると、半助は照れくさそうに笑った。
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