n - caramelizing
日記です。
読み捨てて頂ければ幸い。
わんわわん(仮)
2020.08.09 (Sun) 23:40 | Category : 小話
後日サイトに移します。
*
ベッドの下で隠しておいた骨ガムを噛んでいると、カカシがイルカを連れて部屋にやって来た。さっき風呂に入っていたから、もう寝るのだろう。
二人がベッドに入り、こそこそと囁き声が聞こえてくる。そしてベッドが揺れる音がした。しばらくすると、枕のある方からは荒い息遣いと鳴き声が聞こえてくる。
みしみしと軋むベッドの骨組みの下で、おれは大人しくしていた。途中で邪魔をすれば怒られることは分かっている。
ベッドの上がどうなっているのかは見えないが、音だけ聞いているとまるでカカシがイルカを食べているようだった。カカシが襲いかかり、イルカが鳴いている。苦しそうだった。
きっとそういう遊びなのだろう。おれたちも狩りのまねごとはする。そう思うと楽しそうだった。ここで飛び出して行ったら怒られるだろうが。おれは骨ガムをくわえたまま、体を伏せた。
カカシはすっかり夢中になっていた。カカシの意識がイルカにしか向いていない間、おれが周囲を警戒していないといけない。
「あっ、あっ……カカシさんっ……」
イルカが普段とは違う声で、カカシの名前を呼んだ。カカシも普段よりずっとやさしい声で答える。聞いていて少しむずむずした。
やがて二人の匂いが濃くなり、ベッドの軋む音も静かになった。二人の息遣いが聞こえてくる。楽しそうに囁き合っていた。枕の上で頭を寄せ合っている姿が想像できる。
どうやら終わったらしいと思い、おれは骨ガムを手放してベッドの下から這い出し、二人のいるベッドの上へと飛び上がった。ふかふかのふとんに足を着き、更に枕元へ向かって飛びかかる。
向かい合って横になっていた二人の胸の間に嵌まるように着地すると、イルカは驚いて大声を上げた。
「うわっ!? えっ……!?」
機嫌のいいカカシは、おれの背中を撫でてくれた。一方イルカは、いきなり飛び込んで来たおれを見て、ぽかんと口を開けている。
「一体どこから……」
イルカは不思議そうに部屋のドアを見て、それがしっかり閉まっていることを確認すると、みるみる顔が赤くなった。
「えっ、まさか……ずっとこの部屋にいた……!?」
「うん」
イルカの声に答えたのは、カカシだった。イルカはカカシに掴みかかって、耳を引っ張っていた。イルカの顔は真っ赤になっている。
「ばか!」
「いたた。別に気にすることないじゃないでしょ? 犬ですよ」
「……」
イルカは再びおれに目を向けて、むずかしい顔をした。カカシの言い分が気に入らないようだ。
「でも」
「じゃあ追い出せばよかった?」
カカシがそう言った。おれは咄嗟にイルカを見つめて、できるだけ装った声でクゥンと鳴いてみせた。
「おれを追い出すのか?」
「うぐ……」
イルカは言葉に詰まったが、やがて諦めたようにおれの体をやさしく撫でた。
常々この先生は情に弱いとは思っていたが、少し心配になった。そんなだからカカシにつけ込まれるんだぞ。
イルカはおれを抱きかかえると、寝返りをうってカカシに背中を向けた。
「イルカ先生?」
カカシが少し情けない声を出した。イルカは振り向かない。
「今日はもうしません」
「えー!」
カカシは縋るようにイルカの背中にくっついた。カカシがイルカの顔を覗き込もうとしても、イルカは頑なに無視した。隠れるように枕に顔を伏せている。
おれはイルカの腕の中から抜け出して、イルカの顔を舐めた。
「カカシのことが嫌いなのか?」
おれの問いかけにイルカはそっと目を向けた。カカシはすっかり気落ちしてイルカの背中に抱きついていた。おれからはイルカの体の陰になって見えない。
「そうじゃないけど」
「仲よくしないとダメだぞ」
おれが言うと、イルカはもぞもぞと動いて寝返りをうち、カカシの方を向いた。
「怒られちゃいました」
別に怒ったつもりはなかったが、わかってくれたのならまあいいかと思った。
カカシがイルカを抱き寄せる。
「俺が悪かったです、イルカ先生……」
カカシがイルカの顔にいくつも口づける。イルカは黙っていたが、くすくす笑い出した。仲直りしたようだ。二人でイチャイチャし始める。
ところがイルカは、気を良くして迫るカカシを押し留めた。
「でも今日はもうしません」
「ええ!? しましょうよ!」
「だめ。いやです」
イルカはカカシにキッパリ言ってから、おれを呼んだ。側に居たからイルカの腕にあっさり捕まって、二人の間に引っ張り込まれる。
おれは二人の間で丸くなった。カカシがとても不満そうに見ている。一方イルカはやさしく撫でてくれる。
悪いがおれにはもうどうしようもない。いっそ部屋から追い出してくれたらいいのに、カカシはそうはしなかった。
おれはカカシがかわいそうになって、顔を舐めてやった。不満そうな顔をしていたカカシの表情が緩む。
「ん……ふふ。なんだよ?」
お返しとばかりにカカシがおれの首を撫でる。すると、頭の後ろでくすくすとイルカが笑った。おれとカカシのやり取りを見て笑っている。
イルカは体を寄せて、カカシとおれを抱き寄せた。
「今日は三人で寝ましょ?」
「3P……」
「違います」
イルカが冷たく返す。イルカは三人と言ったが、二人と一匹のことを指すようだ。カカシは今更異議も無さそうである。
イルカはカカシに顔を近づけて「今日の続きは二人きりの時にしましょ?」と囁いた。カカシが返事をする代わりにキスをする。……おれはさっさと目を閉じて眠ることにした。
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ベッドの下で隠しておいた骨ガムを噛んでいると、カカシがイルカを連れて部屋にやって来た。さっき風呂に入っていたから、もう寝るのだろう。
二人がベッドに入り、こそこそと囁き声が聞こえてくる。そしてベッドが揺れる音がした。しばらくすると、枕のある方からは荒い息遣いと鳴き声が聞こえてくる。
みしみしと軋むベッドの骨組みの下で、おれは大人しくしていた。途中で邪魔をすれば怒られることは分かっている。
ベッドの上がどうなっているのかは見えないが、音だけ聞いているとまるでカカシがイルカを食べているようだった。カカシが襲いかかり、イルカが鳴いている。苦しそうだった。
きっとそういう遊びなのだろう。おれたちも狩りのまねごとはする。そう思うと楽しそうだった。ここで飛び出して行ったら怒られるだろうが。おれは骨ガムをくわえたまま、体を伏せた。
カカシはすっかり夢中になっていた。カカシの意識がイルカにしか向いていない間、おれが周囲を警戒していないといけない。
「あっ、あっ……カカシさんっ……」
イルカが普段とは違う声で、カカシの名前を呼んだ。カカシも普段よりずっとやさしい声で答える。聞いていて少しむずむずした。
やがて二人の匂いが濃くなり、ベッドの軋む音も静かになった。二人の息遣いが聞こえてくる。楽しそうに囁き合っていた。枕の上で頭を寄せ合っている姿が想像できる。
どうやら終わったらしいと思い、おれは骨ガムを手放してベッドの下から這い出し、二人のいるベッドの上へと飛び上がった。ふかふかのふとんに足を着き、更に枕元へ向かって飛びかかる。
向かい合って横になっていた二人の胸の間に嵌まるように着地すると、イルカは驚いて大声を上げた。
「うわっ!? えっ……!?」
機嫌のいいカカシは、おれの背中を撫でてくれた。一方イルカは、いきなり飛び込んで来たおれを見て、ぽかんと口を開けている。
「一体どこから……」
イルカは不思議そうに部屋のドアを見て、それがしっかり閉まっていることを確認すると、みるみる顔が赤くなった。
「えっ、まさか……ずっとこの部屋にいた……!?」
「うん」
イルカの声に答えたのは、カカシだった。イルカはカカシに掴みかかって、耳を引っ張っていた。イルカの顔は真っ赤になっている。
「ばか!」
「いたた。別に気にすることないじゃないでしょ? 犬ですよ」
「……」
イルカは再びおれに目を向けて、むずかしい顔をした。カカシの言い分が気に入らないようだ。
「でも」
「じゃあ追い出せばよかった?」
カカシがそう言った。おれは咄嗟にイルカを見つめて、できるだけ装った声でクゥンと鳴いてみせた。
「おれを追い出すのか?」
「うぐ……」
イルカは言葉に詰まったが、やがて諦めたようにおれの体をやさしく撫でた。
常々この先生は情に弱いとは思っていたが、少し心配になった。そんなだからカカシにつけ込まれるんだぞ。
イルカはおれを抱きかかえると、寝返りをうってカカシに背中を向けた。
「イルカ先生?」
カカシが少し情けない声を出した。イルカは振り向かない。
「今日はもうしません」
「えー!」
カカシは縋るようにイルカの背中にくっついた。カカシがイルカの顔を覗き込もうとしても、イルカは頑なに無視した。隠れるように枕に顔を伏せている。
おれはイルカの腕の中から抜け出して、イルカの顔を舐めた。
「カカシのことが嫌いなのか?」
おれの問いかけにイルカはそっと目を向けた。カカシはすっかり気落ちしてイルカの背中に抱きついていた。おれからはイルカの体の陰になって見えない。
「そうじゃないけど」
「仲よくしないとダメだぞ」
おれが言うと、イルカはもぞもぞと動いて寝返りをうち、カカシの方を向いた。
「怒られちゃいました」
別に怒ったつもりはなかったが、わかってくれたのならまあいいかと思った。
カカシがイルカを抱き寄せる。
「俺が悪かったです、イルカ先生……」
カカシがイルカの顔にいくつも口づける。イルカは黙っていたが、くすくす笑い出した。仲直りしたようだ。二人でイチャイチャし始める。
ところがイルカは、気を良くして迫るカカシを押し留めた。
「でも今日はもうしません」
「ええ!? しましょうよ!」
「だめ。いやです」
イルカはカカシにキッパリ言ってから、おれを呼んだ。側に居たからイルカの腕にあっさり捕まって、二人の間に引っ張り込まれる。
おれは二人の間で丸くなった。カカシがとても不満そうに見ている。一方イルカはやさしく撫でてくれる。
悪いがおれにはもうどうしようもない。いっそ部屋から追い出してくれたらいいのに、カカシはそうはしなかった。
おれはカカシがかわいそうになって、顔を舐めてやった。不満そうな顔をしていたカカシの表情が緩む。
「ん……ふふ。なんだよ?」
お返しとばかりにカカシがおれの首を撫でる。すると、頭の後ろでくすくすとイルカが笑った。おれとカカシのやり取りを見て笑っている。
イルカは体を寄せて、カカシとおれを抱き寄せた。
「今日は三人で寝ましょ?」
「3P……」
「違います」
イルカが冷たく返す。イルカは三人と言ったが、二人と一匹のことを指すようだ。カカシは今更異議も無さそうである。
イルカはカカシに顔を近づけて「今日の続きは二人きりの時にしましょ?」と囁いた。カカシが返事をする代わりにキスをする。……おれはさっさと目を閉じて眠ることにした。
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