n - caramelizing
日記です。
読み捨てて頂ければ幸い。
カカシ組集合
2020.12.07 (Mon) 08:25 | Category : 小話
前半。あとで書き直します。
寂しいので会いに行ったら先客がいました。浮気じゃないよ?
寂しいので会いに行ったら先客がいました。浮気じゃないよ?
*
秋も過ぎ寒さが身に染みるようになると、イルカは一人で過ごす夜が少し寂しくなった。もういい歳なのにとは思うが、いい歳だからこそ人恋しくなる。
カカシは毎日忙しくて家に来てはくれないし、近頃は恋人らしいことも全くできていなかった。
昼間、仕事のついでに顔が見れればまだマシだったが、今日はイルカも忙しくてそれすら叶わなかった。
仕事を終えて家に帰り、いつものように一人で過ごしても、夜が更けるにつれて寂しくなった。いつも以上にカカシのことばかり考えてしまう。
(カカシさん、なにしてるかな? 会いに行ったら迷惑かな?)
まだ仕事をしているかも知れない。それとも、もう休んでいるだろうか。
せめて、顔を見て少しだけでも話がしたい。傍にいて体温を感じたい。
考え始めてしまうともう駄目で、寂しくてカカシのことばかり考えて余計に寂しくなった。
もう夜も遅かったが、イルカは悩んだ末に家を出てカカシの元へ向かった。
通りから見ると火影室の明かりは消えていたが、イルカは建物の入口にある守衛室に声を掛けて中へと進んだ。まっすぐ火影室へと向かい、更にその上の階へと階段を登る。
カカシはいつも火影室の上にある部屋で寝泊まりしていた。イルカも何度か行ったことがある。
イルカはカカシが寝室として使っている部屋の前へ行くと、少し緊張しながら扉を叩いた。
追い返されてしまうかも知れない。でもカカシなら、快く迎えてくれるかも……。
(何もしなくてもいいから傍にいたい)
控えめなノックの後、少し間があってドアが開いた。カカシが顔を見せ、イルカは自分で思っていた以上にほっとした。
「こんばんは、カカシさん。遅くにすみません」
「イルカ先生……」
カカシは何故か気まずそうな顔をした。快く迎えてくれると期待していたイルカは、少しショックだった。
「……ごめんなさい。もしかして寝てましたか?」
「いや、起きてたけど……ごめん、イルカ先生。今日はちょっと都合悪くて」
「具合でも悪いんですか?」
「あー。いや、その」
カカシは説明に困って、イルカを部屋に引っ張り入れた。寝室にはベッドが置いてあるだけだ……が、そのベッドは忍犬たちに占領されていた。
いつもは二人で寝ても余裕のあるベッドに、今はカカシの忍犬八頭が居座っていた。既にカカシが寝る場所さえあるのか怪しい。
「今夜は寝る場所無いから……ほんとごめん」
カカシが申し訳なさそうに言った。
イルカは、おかしくて噴き出してしまった。
「何の会です? ふふ、確かに俺はお邪魔ですね」
「邪魔ではないけど……」
「じゃあ俺も参加していいですか?」
「うん……いや。ごめん、今日はあいつらに聞いて」
カカシがそう言ったので、イルカはベッドまで行って忍犬たちに話し掛けた。イルカと面識のある彼らは、さっきから「イルカだ」「イルカが来た」と声を上げていた。
「こんばんは。みんなに会うのは久しぶりだな。今日は何の集まりだ?」
イルカが訊ねると、さっきからベッドの上でぴょんぴょん跳ねていた一匹が楽しそうに答えた。
「今日こそはカカシに構ってもらう会!」
どうやら火影として忙しい日々を送っているカカシは、普段あまり忍犬たちに構ってないようだ。彼らもイルカと同じように押し掛けて来たのだろう。
ほったらかされていたのは自分だけではなかったらしい。イルカはかわいい忍犬たちに倒して、変な仲間意識とちょっとした嫉妬を覚えた。そして、忍犬と同じことをしてしまったと少し恥ずかしくなった。
「イルカもカカシに構って欲しくて来たのか?」
忍犬にそう問われて、イルカは苦笑しながら頷いた。
「俺も仲間に入れてもらってもいいかな?」
「もちろん!」
忍犬たちは声を揃えて吠えるように答えた。犬としてはかなりの年齢のはずだが、未だ現役の彼らは元気だった。
イルカが手前にいた忍犬二頭を撫でると、我も我もと寄ってくる。イルカは全員撫でくり回しているうちに忍犬八頭に押し倒された。
「ほらほら、ストップ! もう十分遊んだだろ!」
カカシが声を掛けると、イルカに伸し掛かっていた忍犬たちはサッと身を引いた。床に転がっているイルカをカカシが引っ張り起こしてくれる。
ベッド周辺の床には犬用のおもちゃが転がっていて、彼らはイルカが来る前にもう十分遊んでもらったらしい。
「もうお風呂入って寝ようと思ってたんですよ」
「なんだ……来るのが一足遅かったみたいですね」
「イルカ先生、こいつらと遊びたかったの?」
カカシは呆れたように言ったが、その眼差しは別の言葉を語っていた。イルカの腰に手を回して体を引き寄せる。
「わ、カカシさん」
「一緒にお風呂入ろう」
カカシが顔をすり寄せて囁いた。返事をする前に唇が触れそうになる。
イルカは「はい」と答えてから、足元から複数の強い視線を感じて顔を向けた。忍犬たちが興味津々といったふうに二人を見上げていた。
「イルカもカカシにお風呂に入れてもらうの? おれたちと一緒だ〜!」
「二人でイチャイチャするんだ!」
「ずるーい!」
「おまえは風呂嫌いだろ」
二人の足元で忍犬たちがキャンキャン騒ぎ始める。カカシは騒ぐ彼らを放って、イルカを浴室へ連れて行った。
「カカシさん……いいんですか?」
「いいの、いいの。すぐ飽きるから」
カカシはそう言ったが、部屋では忍犬たちがいつまでも騒いでいた。
「はあ。あいつらうるさいな……ちょっとイルカ先生、先入ってて」
脱衣所で服を脱ぎ始めたものの、カカシはいったん部屋へ戻ってしまった。イルカは言われた通りに先に風呂に入った。
カカシはなかなか戻って来なくて、イルカは待っている間に体を洗い終えてしまった。お湯を張った浴槽に入って温まっていると、裸のカカシが浴室へ入って来た。
「ごめん。お待たせ」
「大丈夫でした?」
「うん。あいつら、イルカ先生が居るからはしゃいじゃって」
カカシは疲れたように洗い場の椅子に腰を下ろした。イルカは浴槽でお湯に浸かったままカカシをじっと見つめた。
「カカシさんも?」
「え?」
カカシは少し意外そうな顔をして、イルカを見つめて実に愉しそうに目を細めた。
「そりゃあ、もちろん」
カカシは浴槽の縁を掴むと、椅子から腰を浮かせてイルカの方へと首を伸ばした。イルカも浴槽の縁に肘を置き、出来るだけカカシの方へ近づく。
浴室に二人きり。邪魔も入らない。唇が重なり、舌が触れ合う。つい夢中になっていると、浴室のドアが音を立てた。
イルカは思わず唇を離した。
ドアはしっかり閉め切られていたが、すりガラス風のドアパネルの向こうに忍犬たちが群がっていた。浴室内からは半透明のドア越しにぼんやりとした姿しか見えないが、忍犬たちはドアに顔をくっつけて覗こうとしている。
イルカはそれを見て笑ってしまった。カカシは呆れている。
「あいつら……」
カカシが手で顔を押さえて溜め息を吐く。イルカは手を伸ばしてドアを開けた。狭い脱衣所に忍犬たちが集まっている。
「一緒に入る?」
イルカが声を掛けると、さっきまでドアにくっついて覗いていた忍犬たちは急にわんぎゃん騒ぎながら逃げて行ってしまった。
「お風呂嫌いなのかな」
イルカは笑いながら言った。しかしドア閉めてからカカシの顔を見て、忍犬たちが逃げたのはカカシに怒られると思ったからだなと思い直した。
「あんまり怒らないであげてくださいね?」
イルカは浴槽から出ると、洗い場のカカシの傍に膝を突いて腰を下ろした。カカシの背中を流そうと思ったのだが、真っ先にカカシの腕に捕まって抱き寄せられる。
「イルカ先生、あいつらに甘すぎ」
「え~。だってかわいいし」
「あれがアカデミーの生徒だったら絶対怒ってるでしょ?」
「まあ……それは……」
イルカはカカシに寄り掛かってくすくす笑った。笑っている口元にカカシの手が伸びる。顎を指で押し上げられ、そこにカカシの唇が迫って、イルカは思わず目を閉じた。唇がやさしく押し付けられる。
「またあいつらが覗きに来る前に、もう少しイチャイチャしましょ?」
カカシが唇を寄せたまま囁いた。
「……」
イルカは一瞬だけ迷ってから、カカシの腰に腕を回した。顔を上げ、すぐ傍にある唇にキスを返す。カカシはイルカの唇をやさしく吸ってから、愉しそうに含み笑いをした。
「ふふ。イルカ先生は俺にも甘いですね?」
「そりゃあ、まあ……」
イルカが照れているうちに、またカカシの唇が近づく。イルカはカカシに体をすり寄せると、ゆっくりと唇を重ねて、甘くてとろけてしまいそうなキスに何度でも応じた。
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