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n - caramelizing

日記です。 読み捨てて頂ければ幸い。

カカシ組集合(続き)

2020.12.10 (Thu) 07:53 Category : 小話

続きです。後で書き直します。まだ続きます。



 二人で長風呂していると心配したらしい忍犬が数匹再び風呂を覗きに来て、まだ少し物足りなくはあったがイルカはカカシと共に風呂から上がった。
 浴室のドアを開けると、脱衣所まで来ていた忍犬は風のように逃げて行った。
「ったく……」
「まあまあ、いいじゃないですか」
 イルカはバスタオルを広げてカカシの体を包み、機嫌が良くなるようにキスをした。カカシがイルカの腰に腕を回して抱き寄せる。
「……カカシさん、早く戻りましょう? あの子たち、また心配して見に来ちゃいますよ」
「……うん」
 カカシがイルカを抱きしめて答える。そのままもう少しだけキスをして、風邪を引く前に体を拭いて寝間着に着替えた。
 髪をよく乾かしてから寝室へ戻ると、忍犬たちが澄ました顔で待っていたのでイルカは笑ってしまった。
 イルカがお願いしたからか元からそのつもりだったのか、カカシは彼らを怒ったりはしなかった。
「もう寝よう。ほら、ベッド少し空けろ。ブルはそっち」
 カカシはベッドの真ん中に居座っていた大きな忍犬を足側に移動させて、自分が横になれるスペースを作った。カカシはそこに横になって、隣にイルカを呼んだ。
「イルカ先生はここ」
 カカシが軽くベッドを叩いて場所を示す。イルカはカカシのすぐ隣に横になった。
 二人の寝る場所が決まると、忍犬たちが二人の周囲に来て丸くなった。ある犬はイルカの足を枕にし、ある犬はイルカの背中にくっついて横になった。掛け布団の上に乗っかっている犬も居れば、イルカとカカシの間に潜り込む犬も居た。
 それぞれ寝床が決まると、忍犬たちはすぐに静かになった。イルカは忍犬に囲まれてしまい、寝返りも打てなくなってしまった。寝る前にトイレに行っておけばよかったと、少し後悔した。
 イルカがもぞもぞしていると、カカシが顔を寄せて囁いた。
「イルカ先生、大丈夫?」
「……はい。俺、こんなに犬に囲まれて寝るの初めてです。温かいですね」
 イルカは少しだけカカシの方へ体を寄せた。二人の間には体の小さな忍犬が寝ていて、潰さないようにお互いの体に腕を回して抱き合った。
「暑くない?」
「はい」
「朝には布団無くなってると思うよ」
 カカシが可笑しそうに言った。暑くて掛け布団を蹴飛ばしてしまうと言いたいらしい。確かに、布団の中に懐炉でも入れているように暖かかった。
「じゃあ、布団蹴飛ばして風邪ひかないようにしないと」
 イルカは間で寝ている忍犬を潰さないようにしながら、出来るだけカカシに寄り添った。二人きりの時のようにぴったりくっつけないのは少し残念だが、それ以上に温かくて幸せに思えた。
 イルカが目を閉じて心地よい温かさに意識を任せていると、体を預けていたベッドが僅かに沈んだ。目を開けると横で寝ていたはずのカカシが、ベッドに肘を突いてイルカの顔を覗き込んでいた。そして覆い被さるようにキスをした。唇が触れ、熱い吐息と共に舌が重なり合う。
 おやすみのキスとは到底呼べなかった。それは熱を帯びていて、いつまでもイルカを欲しがった。こんなキスをされたら大人しく眠れなくなってしまう。
「ん、ふ……カカシさん……」
 イルカは大人しくカカシに従っていたが、カカシの手が寝間着の下に這入り込むと慌ててカカシの手を掴んだ。それでもカカシは構わずにイルカに迫る。
 イルカはなんとかカカシを押し留めて、あまり大声を出さないように窘めた。
「だめですって!」
「どうして? しよ? そのつもりで来たでしょ?」
「……でも、二人きりじゃないし」
 イルカは視線を脇に動かした。すぐ横で忍犬が眠っている。足元にも、カカシが寝ていた向こうにも居る。
「いいよ。みんな俺の忍犬なんだし」
「よ、よくないです!」
「……忍犬は忍具と同じですよ。アカデミーでもそう教えてるはずですよね?」
「でも、俺にとっては、この子たちは違います」
 カカシはじっとイルカの顔を見つめた。部屋は暗くて、表情はよく見えない。イルカは少し怯んだ。
「じゃあみんなで楽しみましょうか」
「えっ?」
 イルカの声に被せて「かかれ!」とカカシが声を張り上げた。それまで寝ていた忍犬たちが一斉に起きてイルカに飛び掛かる。
 カカシが身を引くと同時に忍犬らに伸し掛かられ、イルカはベッドに押さえつけられた。忍犬たちがイルカに群がり、顔や足を舐め回す。誰かが寝間着のシャツの裾から鼻先を突っ込んで、イルカの腹を舐めた。
「わ、ひゃっ……! やめっ……ひゃははっ!」
 イルカはくすぐったくて身を捩り、ベッドの上で悶えた。寝間着のズボンが引っ張られて脱げそうになる。
「はい、そこまで!」
 カカシの声で忍犬たちはイルカからさっと飛び退いた。イルカはくすぐったさからようやく解放されて、寝転がったままゆっくり息をした。
「……イルカ先生、大丈夫?」
「もぉ……なにするんですか!」
「ははは。ごめん」
 カカシは笑いながら、イルカの隣に再び横になった。
「でもこれでぐっすり寝れるでしょ?」
「……」
 お陰様で、カカシとイチャイチャしてその気になっていたのも何処かへ消えてしまった。
 イルカの両隣に忍犬が来て寝そべる。他の犬もそれぞれの場所で横になった。
 枕元に居た忍犬が、まだ遊び足りないのかうろうろしている。カカシはそれを捕まえて腕の中に抱え込んだ。
「こら! もう寝るんだよ!」
 カカシに捕まった忍犬はじたばたしていたが、そのうち大人しくなってカカシに寝かし付けられた。
 イルカはその様子を隣で見ていて、カカシの腕の中にいる忍犬が少し羨ましくなった。もっとカカシの傍に行きたかったが、両脇を忍犬に固められていた為動けなかった。
「また明日な」
 カカシがやさしい声で、腕の中の忍犬に言った。彼らは明日もカカシと遊べるようだ。イルカは、とても羨ましく思った。
「カカシさん……」
 イルカは、カカシに手を伸ばした。二人の間では忍犬が寝ている。
 イルカの手がカカシの腕に触れる。カカシはその手をそっと握った。
「イルカ先生?」
「また、明日……」
「うん。また明日。おやすみ、イルカ先生」
 カカシはイルカの指先に口づけ、手を握ったまま眠りに就いた。
 イルカは「またあした」と言われただけで嬉しくなって、子供のように明日を待ち遠しく思いながら、温かいベッドの中で目を閉じた。
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