n - caramelizing
日記です。
読み捨てて頂ければ幸い。
終わらない星の祭典
2021.02.19 (Fri) 15:40 | Category : 小話
ガラルスタートーナメント閉会式の話。
先に言っておきますと、私はまだガラルスタートーナメントに参加していません。(笑)
*
先に言っておきますと、私はまだガラルスタートーナメントに参加していません。(笑)
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ガラルスタートーナメント閉会式。
ダンデがフィールドに立つと、熱気冷めやらない観客席から歓声が上がった。すぐには話を始めずに、スタジアムの観客をぐるりと見渡す。
「みんな! 星の祭典は楽しんでくれたか!?」
ダンデの問いかけに歓声が返ってくる。最高だった、またやってくれと言う声も聞こえてくる。
ダンデは満足して笑顔になると、スタジアムの空を見上げた。思い切り息を吸い込む。
「オレも! 最高に楽しかったー!!」
どうにも抑え切れなかった胸の内を叫んで、ダンデは幾らかすっきりして前を向いた。子どもみたいに叫んだ元チャンピオンの姿に客席のあちこちで笑いが起こる。
ダンデは急に照れくさくなって苦笑すると、気を取り直して話し始めた。
「オレの突然の申し出を受けてくれたガラルリーグOBの方々、現ジムリーダーのみんな、それに新チャンピオンにホップ……そしてスタジアムまで足を運んでくれたみんな! リアルタイムで視てくれているファンも! 心から感謝する。ありがとう!」
ダンデの言葉に観客が歓声を返す。ダンデはフィールドの真ん中でしばしそれに聞き入った。バトル中は夢中で客席なんてほとんど見ていないが、こうして観客の笑顔を見るのは好きだった。
「やっぱり終わってしまうのは寂しいな」
ダンデがひとりごとのように声を落として呟いた。それでもマイクはダンデの声を拾ってスタジアム中に届けてくれる。その寂しげな声に会場が一瞬しんとなった。
ダンデは静まってしまった観客席を眺めて笑顔を作った。
「でも約束しよう。また来年、星の輝くこの季節に、この場所で……。またみんなに会う頃にはこのフィールドに新たな星が増えていることだろう。その時はオレも……」
その時、ダンデの言葉の途中で大きな歓声が上がった。
きょとんとするダンデの向かいにある特大モニターが、観客が沸いた理由を映し出した。
悲鳴に似た歓声が降ってくる中、ダンデが選手入場口を振り返る。ダンデの視線を導くように、頭上でスポットライトが動いた。
「キバナ……」
そこには大きな花束を持ったキバナの姿があった。フィールドの中央に居るダンデの方へまっすぐ歩いてくる。
キバナはダンデから少し離れて立ち止まった。手を伸ばしても、多分ギリギリ届かない。
観客のざわめきが僅かに収まったのを見計らってキバナが口を開いた。
「このまま閉幕なんてジョーダンじゃないぜ!」
スタジアムに大きな歓声が上がる。
花束を持ったキバナを見て、ダンデはつい表情を緩めた。なんだか似合わなくて笑ってしまいそうになる。
「リハーサルと違うんだが……もしかしてサプライズってやつか? その花束、オレに――」
くれるのか、と言いかけたところでダンデは言葉を飲み込んだ。キバナが持っていた花束をいきなりダンデの鼻先に突きつけたからだ。鮮やかな花の匂いが鼻腔をくすぐる。
「そうだ。これはオレさま、ドラゴンストーム・キバナから、最愛のライバルであるダンデ……オマエへ贈る――」
花束の向こうでキバナが歯を見せて吠えた。スタジアムにキバナの大声が響く。
「――挑戦状だ!」
スタジアムにはマイクの音声が響き渡ったが、ダンデの耳にはキバナの地声も届いていた。
「現役復帰を賭けてオレさまと戦え!」
キバナの声に、スタジアムの観客が一気に沸いた。悲鳴やら歓声が聞こえてくる。
ダンデは思いもしなかった展開にフィールドの真ん中で呆然と立ち尽くした。歓声が遠く聞こえる。
耳には自分の鼓動がはっきりと聞こえていた。胸の奥で炎が大きく燃え上がって全身に熱が廻る。
興奮で口元に張りついた笑みが僅かに強張り、呼吸を忘れて口を開くと「はっ」と笑い声がこぼれた。
ダンデはキバナをじっと見つめたまま花束に手を伸ばした。花の香りを吸い込んで、昂る気を落ち着かせる。
「いいだろう。キバナ、オレと共にガラルリーグを引っ張ってくれたキミがそこまで言うのなら」
ダンデは受け取った花束を思い切り振り上げた。同時にモンスターボールを頭上へ放り投げる。回転するボールからリザードンが飛び出して翼を広げ、スタジアムの空に向かって咆哮した。リザードンの巻き起こす熱気を含んだ風が、ダンデの髪を大きくなびかせる。
「オレとリザードンが受けて立とう! オレに挑戦状を叩きつけた以上は分かっているだろうな、キバナ! オレたちをがっかりさせてくれるなよ!」
キバナは一瞬驚いた表情を見せ、それからいつもバトルでそうだったように強気な笑みを見せた。
「上等……! そう来なくっちゃな!」
キバナがボールを構える。相棒のジュラルドンが姿を現し、スタジアムに声を響かせる。両者が睨み合い、スタジアムが緊張と興奮に包まれる。それが最高潮に達した瞬間――互いに繰り出された第一撃がぶつかり合おうとしていた。
*
まとまらなかった。
キバナさんに花束持たせたくて書きました。
このあとピオニーさんが止めに入ります。「ふざけんな!早く打ち上げに行かせろ!!」
そしてSNSでは、キバナがダンデに向かって『最愛の』と言ったのか『最大の』と言ったのかで大論争になる。
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