n - caramelizing
日記です。
読み捨てて頂ければ幸い。
0526
2022.06.14 (Tue) 22:11 | Category : 小話
書き終わって無いんですけれども。
イルカ先生は出て来ません。
ヒノコちゃん出て来ます。(シカマル秘伝に出て来る暗部ちゃん)
ナルト、木ノ葉丸、アカデミー生2人。忍犬見習いの毛玉くん(仮名)
珍しく登場人物多いけど、おかげで何もまとまってません。
イルカ先生は出て来ません。
ヒノコちゃん出て来ます。(シカマル秘伝に出て来る暗部ちゃん)
ナルト、木ノ葉丸、アカデミー生2人。忍犬見習いの毛玉くん(仮名)
珍しく登場人物多いけど、おかげで何もまとまってません。
*
アカデミー校舎裏に人影が四つしゃがみ込み、額を突き合わせるように集まっていた。
最近やっと中忍になったナルトと、中忍としてはナルトより先輩の木ノ葉丸、そしてそんな二人に憧れるアカデミー生が二人。
四人はこの春から定期的に集まっては、何やら密かな計画を推し進めていた。
彼らの中心には一枚の紙が広げられていた。それはアカデミーのホームルームに配られたプリントで、その裏面には何かの見取り図が拙い線で描かれていた。重要なのは裏面の方だ。
「これが火影室の上の階の見取り図だってばよ。この間アカデミーであった火影室見学の時に二人に調べて来てもらった」
いたずらっ子の後輩であるアカデミー生の二人は、それぞれ自慢げな表情と落ち込んだような表情をしていた。
「言われた通りに見て来たぜ、ナルト先生!」
「でも半分も調べられなくて……」
「ジューブン、ジューブン! 上出来だってばよ! 二人ともよくやったな!」
ナルトが褒めると、小さな二人はぱあっと顔を輝かせた。ナルトは同期らと一緒にアカデミーの授業の手伝いをする機会が多く、このアカデミー生たちと知り合ったのもその時だった。その為、彼らはナルトを先生と呼ぶ。ナルトとしては満更でもなかった。
ナルトは改めて見取り図を眺めた。これを作ってくれた彼らが言う通り、見取り図は半分も埋まっていない。火影室の上の階すべてとなると、結構広いし部屋数もある。まだアカデミー生の二人が課外授業の間にこっそりと調べたにしては上出来と言って良かった。
「昔、三代目のじっちゃんにイタズラするのに忍び込んだことあるけど、その頃と変わってないみたいなんだよな。大戦のあと建て替えたけど、新しく設計せずに前と同じに建てたみたいだ」
ナルトが見取り図を見ながら話す。記憶にある部屋の位置などは歯抜けの多い見取り図と一致していた。つまり、見取り図の抜けている部分も記憶と同じと思われた。しかしナルトが忍び込んだのは随分昔の話で、覚えていると言っても少し心許ない。
すると見取り図を見ていた木ノ葉丸が、俯いたまま低い声で笑い出した。
「木ノ葉丸?」
「ふっふっふ……おまえら、オレをダレだと思ってるんだコレ……」
彼が何者かは、里の誰もが知っていた。そこのアカデミー生でも知っている。三代目火影の孫であり、アカデミー生の頃はナルトにも匹敵するイタズラっ子であった。
「まかせろ、ナルトのにーちゃん! あそこはオレの庭なんだコレ!」
木ノ葉丸は顔を上げると、最高にナイスガイなポーズでニカッと笑った。
*
(なんかやってるな……)
カカシは書斎机で書類に目を向けながら、火影室の天井から聞こえて来る微かな物音に耳を傾けていた。
ちょうど真上の部屋は普段使っている寝室だった。上の階には見張りの暗部しか居ないはずだが、さっきから変な気配がしている。
火影室の上の階は、フロアまるごと火影の居住スペースになっていた。部屋は幾つかあるがカカシが使っているのは寝室だけで、普段はそこで寝泊まりしている。寝る為だけに家に帰るのも面倒だし、何かあればどうせ呼び出される。それなら此処で寝起きするのが一番ラクだった。本当は毎日イルカの家へ帰りたいが、生活の時間が合わな過ぎて気を遣わせてしまう為、今はたまにしか行っていなかった。
火影室の上の階は一応火影の住居であるので、常に暗部が見張りをしていた。その為侵入者の心配はしなくてもいい筈なのだが、この様子だと誰かが忍び込んでいるようだ。まあ、そのことは下の階に居るカカシにもバレているのだが。
(ま、いいか)
カカシは侵入者が居るにも関わらず、そのまま仕事を続けた。今日は他に構っている暇は無い。それに上の階は仮住まいのようなもので、別に盗まれて困る物も無かった。なにかあっても暗部がどうにかするだろう。とにかく今日は、余計なことに関わっている暇はなかった。
今日はイルカの誕生日。何が何でもイルカの家へ行くとカカシは決めていた。その為にも溜まっている仕事を片付けなければならない。プレゼントも用意してあるし、ケーキと花束を買って帰れば完璧だ。カカシはイルカの喜ぶ顔を思い描いて、つい表情を緩めた。
この日のカカシの仕事は、驚くほど順調に進んだ。毎日こうなら良いのに……と思わなくもなかったが、こればかりは仕方なかった。予定外、予想外のトラブルは何がどうしようと起こるものだと最近は諦めている。
定時を過ぎてシカマルや事務員らが帰ってゆき、カカシは一時間ほど経ってから仕事を切り上げた。それでもいつもに比べたら格段に早い時間だった。
カカシは翌日の確認だけしてから席を立つと、机の側で退屈そうに寝ていた子犬に声を掛けた。白くてふわふわの毛むくじゃらで、知り合いから預かっている忍犬見習いのチビ助だった。
「おいで。今日の仕事は終わりだ」
忍犬はふわふわの尻尾を振って、カカシの側へと駆け寄った。
カカシは忍犬を連れて火影室を出て、廊下の奥にある階段を登った。忍犬はカカシに寄り添って——というよりは、カカシの足にまとわりつくようにして一緒に歩いてゆく。
廊下の明かりもつけずに寝室の前までいくと、いつもと様子が違うことに気が付いた。
部屋の扉には細長い板が何枚も乱雑に打ち付けられており、ドアノブにはあからさまなトラップが仕掛けてあった。封鎖されている。
ドアには一枚の紙が貼られていて、カカシへの伝言が殴り書きされていた。見覚えのある——ナルトの字だ。
『今日は絶対に家に帰って寝ること!!』
カカシは大きく溜め息をついた。昼間物音がしていたのはこれだったらしい。
伝言には続きがあった。この階全てのドアに起爆札を仕掛けたから開けないように、と書かれていた。イタズラの癖に念が入っている。
このイタズラの目的はすぐに分かった。碌に家に帰らないカカシを、今日だけでも家に帰したかったのだろう。カカシは呆れと嬉しさからマスクの下で小さく笑った。
「まったくアイツは……。流石に今日は帰るっつーの」
でもその前に、カカシは見張り番をしていたはずの暗部を呼びつけた。
「ヒノコ!」
「なんでシ?」
瞬時に暗部姿の少女が姿を現し、カカシの側に控えた。暗部の面は頭の後ろに回されていて、顔を隠す気もない。ナルトよりも年の若い少女だった。顔も幼く見える。彼女が今日の見張り番だ。
「なにこれ?」
カカシは封鎖された寝室のドアを指差して、ヒノコに訊ねた。
「うずまきナルトが来て封鎖していったシ」
彼女は特徴のある喋り方で答えた。曲者揃いの暗部に所属している時点で彼女の実力は証明されてはいるが、まだ子供には違いない為カカシは彼女を気に掛けていた。戦闘においては申し分ないのだが、それ以外は少々問題児であった。
「……黙って見てたのか?」
「イルカ先生の為だから、って言ってたシ。それならヒノコも協力するって言ったシ」
つまり黙って見ていたらしい。何の為の見張りだよ、と突っ込みたくなる。聞けばナルトの他にも共犯者が居て、ヒノコは『三代目火影の孫とちっこいアカデミー生が二人』と報告した。
「アカデミー生の名前は知らないけど顔は覚えているから捕まえて来れるシ」
ヒノコが得意気に言う。
「それはいいよ。はあ……ナルトはアカデミー生を巻き込むなよ。イルカ先生に怒られるぞ」
カカシはそうぼやいて、出来が良いのか悪いのか分からない部下を憂えた。
さて、それにしても困ったことに、カカシが用意していたイルカの誕生日プレゼントはこの部屋の中にあった。部屋に入れなければプレゼントを取ることはできない。これからイルカに会いに行くのに手ぶらで行くことになってしまう。
「窓からなら入れるか……」
カカシがどうにか手っ取り早く部屋に入る方法を思案していると、横からヒノコが言った。
「この部屋だけ窓も封鎖されてるシ。天井裏にもトラップあるシ」
「……」
因みに天井裏の方は、ナルトのイタズラではなく防犯用に仕掛けてあるものだった。イタズラより質の悪い物だ。
「仕方ないな」
カカシは早々にプレゼントは諦めて、足元に居た子犬を抱き上げた。この子犬の寝床も火影の寝室にあった為、今日は宿無しとなってしまった。しかも犬用の食糧も封鎖されている室内にあった。
「おまえも一緒にイルカ先生の家行くか?」
「わんっ」
毛玉みたいなチビ助はふわふわの尻尾を嬉しそうに振った。カカシはご機嫌な子犬を見ながら、なんとも言えない表情をした。
今夜はイルカと二人きりで過ごすつもりだったのに、折角用意したプレゼントも持って行けないし、随分と予定が変わってしまった。——仕方ない。予定外のトラブルはいつものことだ。今日は家に帰れるだけで御の字だった。
「ヒノコ。起爆札全部剥がしとけ。ドアは壊すなよ。全部無傷で復旧させること」
「ええー!」
「壊したらお前の給料から引くからな」
「そんなあ! ひどいシ!!」
「見張りの役割を果たさなかったのが悪い」
「うぐ……」
彼女は悪かったと思っているのか、言い返さずに黙った。拗ねたような顔をしている。
子供相手にちょっと言い過ぎたか——とは思わなかったが、部下にはやる気を出して貰わないと困る。カカシは溜め息をついてから、わざとらしく声を出した。
「あーあ。この部屋使えないんじゃ、イルカ先生連れて来れないなあ。残念だなあ。イルカ先生、この部屋のベッド、大きくて好きって言ってたのになあ。いっしょに寝たかったなあ」
「……するシ! この部屋、すぐに使えるようにするシ! だから、ぜったい、イルカ先生を連れて来てほしいシ!」
急にヒノコが意気込んで、カカシに縋りついた。
どういう訳か、この少女はカカシとその恋人がイチャイチャするところを覗きたくて、この退屈な見張り任務をしていた。正確に言うと、彼女はこの退屈な見張りの楽しみをそこに設定していた。それがいつの間にか目的にすり替わったらしい。
「はいはい。お前がちゃんとやることやったらな」
カカシはくっついて来るヒノコを強引に引き剥がした。
楽しみにしている彼女には悪いが、期待に応えてあげることはできない。イルカがこんなことを知ったら怒るだろうし、今でも誘ったってほとんど来ないのに二度とこの部屋に来てくれなくなる。
ヒノコはカカシの思惑など知らずに、機嫌よく仕事に取り掛かった。手始めに打ち付けられた板を力づくで剝がしている。不安しかないが、彼女に任せるしかない。
「じゃ、あとよろしく……ね」
流石に扉を吹き飛ばしはしないだろうと思い、カカシは彼女を残してその場を離れた。
*
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