n - caramelizing
日記です。
読み捨てて頂ければ幸い。
きずあと
2020.09.22 (Tue) 17:27 | Category : 小話
原稿が思うように進まなくて、書き途中の小話に手を入れてました。
なぜ、原稿と関係なければ書けるのか。謎。
なぜ、原稿と関係なければ書けるのか。謎。
*
「ごめんなさい……カカシさん」
イルカは爪を立ててしまったカカシの背中を撫でた。指先で撫でると僅かに腫れている。
「別に平気ですよ」
カカシは痛い顔もせずにそう言って、イルカに口づけた。イルカは爪を立てないように気をつけながら、カカシの背中に両腕を回して抱きしめた。
カカシの体には、歴戦の忍びらしく傷痕が幾つもあった。古いものが多く、肌を指でなぞると傷痕の凹凸が分かる。
こうしてひと時の戯れの中でイルカが付ける傷なんて、跡にも残らないだろう。何日かひりひりするだけで、そのうち治って消えてしまう。
イルカがカカシの背中の古傷を撫でていると、カカシは不思議そうな顔をした。くすぐったかったのだろう。
「なあに、イルカ先生?」
「……傷、多いですね」
「まあ、ね。人並みだと思うよ」
そう言ったカカシの左目にも、額から目蓋を渡り、頬へ伸びる傷痕がある。背中や、脇や、肩や、脚にも。消えない傷痕が残っている。きっとこの傷のどれかには、忘れられない思いが残っている。
「俺が付ける傷なんて、大したことないですね」
イルカはカカシの背中に少しだけ爪を立てた。
「こんな消えてしまう傷より、こうしていつまでも残っている傷痕の方が、カカシさんも思い入れあるでしょ?」
イルカはカカシの左目の下に口づけた。唇で傷痕を撫でる。この傷のことは以前に聞いた。羨ましいといつも思っていた。
「思い入れ……まあ、無いことはないですけど」
カカシは少し呆れたように返した。イルカを抱きしめて、唇を近づける。
「それはイルカ先生だって同じでしょ? これ、ナルトを庇った時の傷でしょう?」
カカシは仰向けになっているイルカの背の下に手を入れて、指先で肌を撫でた。それから腰の後ろも撫でる。傷痕が残っている。
「正直、羨ましいですよ。一生残る傷をこの手で付けてしまいたくなる……この傷はどうやって作ったんです?」
カカシは顔をすり寄せて、イルカの顔の傷に口づけた。
「これは……子供の頃の怪我ですよ」
アカデミーに入る頃にはもう付いていた。カカシはその傷を左から右へ唇でなぞって、イルカの目の下にキスをした。くすぐったくて笑ってしまう。カカシはいたずら心が出たのか、顔のあちこちにキスをした。
「ま、俺はずっと残る傷より、毎日新しい傷を付けてもらいたいですけどね」
「えっ」
イルカは一瞬きょとんとしたが、すぐに真っ赤になった。
「もう……」
「ほら、イルカ先生」
カカシが促す。イルカはカカシの背中に腕を回して体を寄せた。
カカシが体を押しつけながら唇を重ねる。
イルカはしがみついて夢中になりながら、カカシの背中にまた少しだけ爪を立てた。
PR
n-caramelizing
日記です。
節操なく色々好きです。で、飽きっぽい。
二次小説で腐った妄想たれ流してます。なんていうか、ごめんなさい。
Website nauwe
どうでもいいツイ垢 @sawaragomu
らくがきポイポイ用 ポイピク
委託通販 フロマージュ様
既刊情報
くるっぷ
グーグルフォーム作りました。
ご意見ご感想/連絡用フォーム
Wavebox
ブログ内検索